天然ガスとは
クリーンで供給安定性に優れた天然ガスは、エネルギー需要、地球環境問題への対応、安全性の向上など、国の重要な基幹エネルギーとしての位置付けをますます高めています。
環境にやさしいクリーンエネルギー
天然ガスはメタンを主成分とする、不純物を含まないクリーンなガスです。この天然ガスを燃焼させた場合、SOx(硫黄酸化物)や煤塵は発生せず、大気汚染や酸性雨の原因となるNOx(窒素酸化物)や、地球温暖化の原因となる(二酸化炭素)の発生量が、石油や石炭に比べ30〜40%も少なく、環境保全に大きく貢献できるエネルギーです。
ますます深刻化する地球温暖化を抑制するために、石油や石炭など、同じ化石燃料の中で燃焼時におけるCO2の発生量が最も少ない天然ガスこそ、これからの時代にふさわしいエネルギーなのです。
安全はガスで事故防止に貢献
天然ガスは、空気より軽いため大気中に拡散しやすく、燃焼範囲が狭いため爆発などのガス事故の防止・軽減につながります。また、生ガス中毒の原因となる一酸化炭素が一切含まれないため、安全性の高いガスです。
新しい利用技術
天然ガス(都市ガス)で発電するエネファームと、太陽のエネルギーで発電する太陽光発電システム。
この両方を設置することを"ダブル発電"といいます。
環境性、経済性ともに大幅にアップすることはもちろん、ガス発電時の熱を利用してたっぷりのお湯を生み出します。
2つの優れた発電設備を導入することで、快適な暮らしを実現します。
化石燃料
それは、昔むかしの遠い昔のできごとです
現在われわれが利用している天然ガスは化石燃料ともいわれ、ほとんどは、1億8000万年前から3000万年前の中世代や新生代第三紀に生息していた動物や植物などからできているといわれます。
その時代に生息していた動物や植物の死骸が、地中や海底に堆積し、更にその上に何層もの土砂や堆積物で埋まります。
そして地殻変動など地底深くでの温度・圧力が増し、長い年月をかけて腐敗分解されたものが岩などの気孔に溜まり『天然ガス』となったものです。
天然ガスって大昔の動植物からできていたんだね。
パイプライン
天然ガスはパイプラインを通ってやってきます
日本海側(新潟県)で採れた天然ガスに海外から輸入されたLNG(液化天然ガス)が27%混入された状態で、野を越え、山を越え、川を渡って、「東京パイプライン」などのガス導管を通って桐生まで都市ガスとなって運ばれます。
「国際石油開発帝石(株)」という会社がガスを送ってくれます。桐生で使用する都市ガスには『新潟産』の天然ガスと『外国産』のガスがミックスされたものなんだね。
燃える氷
メタンハイドレートとはどんなもの?
メタンハイドレートは氷状の固体物質で、メタンガスと水(氷)から出来ています。ある人はシャーベット状と言い、ある人は石鹸のような見かけをした白く冷たい物体などと表現しています。見た目は氷とそっくりなのですが、大きく違う点は、メタンガスの気泡を発しながら溶けることです。
2005年に愛知で開催された「愛・地球博」のガスパビリオンで「メタハイ・ワンダーステージ」の展示をご覧になった方もいらっしゃることでしょう。火を近づけると炎をあげて良く燃えるため、別名「燃える氷」とも呼ばれています。
未来の天然ガスエネルギーとして注目されている「メタンハイドレート」。メタンガスと水(氷)という、とっても“ピュアな天然ガス”とも言えるのです。
石油の埋蔵量が将来的には頭打ちとなり、世界的な資源枯渇の恐れも憂慮されています。また、京都議定書で約束した地球温暖化対策としての二酸化炭素排出量の削減など、環境への配慮も叫ばれております。
天然ガスは石油に比較してエネルギー当たりの二酸化炭素排出量が少ないことから、排出量削減を実現するには石油から天然ガスへの転換が有効と考えられています。
メタンハイドレートはどんなところに出来るの?
メタンハイドレートが出来るには、十分な量の水とメタンガスが存在すること、そして、温度が低く圧力が高いことが必要です。地球上で水と過剰なメタンが存在し、かつ温度が低く圧力が高い場所として最初に挙げられるのが深海堆積物層ですね。
国際深海掘削計画による調査で、世界中の深海底からメタンハイドレートが発見されています。また、シベリアの永久凍土で覆われる高緯度地域の堆積物層などにも多く存在することが確認されています。近年、日本近海の南海トラフやカナダ〜アラスカ沿岸の海洋などで、資源化のための詳細な調査研究も進められています。
メタンハイドレートは天然ガスと違って、掘削しただけでは自噴しないことや経済的かつ安全に取り出すことが可能かなど、技術開発や環境への影響なども考慮クリアしなければなりません。
メタンハイドレートが近未来の資源となりえるか、人類社会にとって関心の高いエネルギー資源と地球環境という課題であるため、この資源開発には、総合的かつ重点的に研究や分析、調査が進められています。